1997.5
芝山野外国際野外アート展 ’97
芝山仁王尊観音教寺境内周辺 芝山 千葉
「土地の系」- 航路に直行して
ステンレス球 アルミニウム板 ワイヤーロープ 包帯 植木鉢 その他
この地は、成田闘争が行われた場所である。今は上空をひっきりなしに飛行機が離発着している。その航路に直行する方向に、ワイヤーロープを枯れ枝に渡す。その間に、家型のオブジェとステンレス球を、見上げるように吊るし設置する。一方、地面には上空を撮った写真を入れた植木鉢を設置する。
この近所でも、すでに10戸の農家がこの土地を去ったそうだ。過疎化と後継者不足でこの先どうなることやら、とある人は言った。枯れ枝を象徴として、かつて地面と上空の間を巡ってこの土地を行き交った様々な人々の眼差しと思いを、この地のもう一つの象徴である埴輪の視座で想像してみる。
(1997 カタログコメントより)